ゴムの硬さ「ゴム硬度」のお話 |ゴム豆知識

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ゴムの豆知識
<ゴム豆知識 インデックス>
第1回 ゴムの起源? 第2回 ゴムとはどんな素材?
第3回 ゴムの硬さ「ゴム硬度」のお話 第4回 ゴム製品のコストと価格のお話
第5回 ゴム成型における金型構造 第6回 シリコンゴムに接着剤や両面テープを使えるようにする

ゴムの硬さとはなんだろう

今回はゴムの硬さについてのお話です。

ゴムに携わっている方は当たり前のことですが、携わっていない方たちにはゴムに硬さの種類があることを知らない場合もありますので丁寧に説明させて頂きます。

まず、ゴムには硬さの種類があります。例えば工業部品から雑貨品まで多岐に利用されるシリコンゴムにもゲル状の非常に柔らかいシリコンゴムからプラスチックのように非常に硬いシリコンゴムまで様々です。

使用する製品の目的に合わせて適切にゴムの硬さを選定しないと、当初の想定していた目的が達成できなくなります。

例えば防水目的で使用するシリコンゴムのパッキンをプラスチックのような、非常に硬い素材で製作してしまうと、まったくシール性能が発揮されず、漏水の原因になります。

このようにゴムの硬さの選定は材質選定と同様に重要な要素となります。もちろん、シリコンゴムに限らずNBRやCR、EPDM等の合成ゴムに関してもゴムの硬さは重要な要素です。

このゴムの硬さですが「柔らかい」とか「硬い」と言った表現は個々の主観によるもので、同じ硬さのものでも、人によっては「硬い」と感じられ、別の人には「柔らかい」と感じるかも知れません。これではモノづくりをしていくうえで不便となりますので、ゴムの硬さについて共通した客観的モノサシが必要になります。

このモノサシが「ゴム硬度」となります。

ゴム硬度の測定方法はJIS規格に定められた試験器具および試験片を用い、指定の試験方法に基づいて試験します。

参考:JIS K 6253-3:2012 http://kikakurui.com/k6/K6253-3-2012-01.html

ゴムの硬さ「硬度」の表記方法

このゴムの硬さである「硬度」は図面や見積書等に表記されますが、様々な表記方法が混在しております。一般的に業界では「硬度:●●度」や「硬度:●●°」(●●は数字)と表記されます。

概ねこの表記方法で問題ありませんが、JIS規格ではゴム硬さにより使用する測定器具を分けるように記載されております。まず、硬度を測定する硬度計は「タイプA」「タイプD」「タイプE」「タイプAM」があり、硬度の違いにより測定器具を使い分けます。この測定器具の違いにより、測定結果が異なりますので厳密には「硬度:A●●度」のように、どのタイプの硬度計での数値かを明記したほうが間違いが無いかと思いますが、通常は「Aタイプ」の硬度計を用いて測定しており、タイプ表示をされることは殆どありません。

ゴム硬度 タイプ選択基準(JIS規格より)

4.2 デュロメータのタイプ及び選択 デュロメータには,タイプ A,タイプ D,タイプ E 及びタイプ AM があり,その選択は,次による。
− タイプ D デュロメータで硬さが 20 未満の値を示す場合は,タイプ A を用いる。
− タイプ A デュロメータで硬さが 20 未満の値を示す場合は,タイプ E を用いる。
− タイプ A デュロメータで硬さが 90 を超える値を示す場合は,タイプ D を用いる。
− 薄い試験片(厚さ 6.0 mm 未満)の場合は,タイプ AM を用いる。
注記 タイプ E デュロメータは,ISO 7619-1 では,Type AO durometer となっている

※2017年03月10日調査

ゴムの硬度は数字が高いほど「硬く」なり、逆に数字が低いほど「柔らかく」なります。ゴム硬度「0度」を示す場合、グミのような柔らかい状態であり実際には、Aタイプ硬度計では測定不可能な状態です。逆に硬度「100度」を示す状態は、ガラスのように硬い状態を指します。一般的ゴムの硬度は「40度~70度」の付近となり、ホームセンターで販売されているような、ゴムパッキンやゴムシートなども、このゴム硬度範囲内の製品となります。

ゴムの硬度にはバラつきがある

ゴム硬度はJIS規格により、定められた器具を用い、定められた試験片を定められた方法にて測定しますので、測定する結果は常に一定と思われるかもしれませんが、実際にはバラつきが必ず発生します。

例えばゴム硬度「A50度」の材料を用いて試験片を成型し、実測しても材料ロット毎のバラつき、成型のバラつき、測定誤差など様々な要因で必ずしも「50」という数値にはなりません。

このバラつきが「ある程度の範囲内であれば「OK」ですよ!」と言った許容差を全てのゴムに設定しております。この範囲いわゆる「公差」は一般的に業界では±5度としております。

したがって、ゴム硬度A50度の材料の硬度許容差は45度~55度の範囲内であれば合格としております。
寸法公差と同じ考え方ですね!

ゴム硬度不良の発生要因

ゴムの硬度不良、つまり前項で記述した硬度許容範囲を外れてしまう場合にどんな要因があるかをご紹介します。要因がわかれば対策も立てられます。逆に要因が分からないと対策のしようがありませんので、ゴム成型メーカー任せにならず、ゴム製品を取り扱う、商社様やメーカーの設計様にも役にたつ情報かと思います。

■材料の取違いによるゴム硬度不良
ゴムの材料を材料室から取り出すときに誤って別硬度の材料を取り出してきてしまい、気づかずにそのまま成型してしまう事により発生します。材料識別表示や材料担当者が識別表示の確認ミスいわゆるポカミス等が直接の発生要因として考えられます。

■配合ミスによるゴム硬度不良
ゴム材料はベースポリマーに様々な添加材を添加し混練することで、目的に沿った物性を持たせます。この配合の際に添加剤の計量を誤る、もしくは添加剤の投入漏れ、添加材の取違いなどにより発生します。ただし、混練作業はゴム成型品において、重要な要素でありどのゴムメーカー様でも配合表や配合手順書、各添加剤の識別表示、ポカミスを避けるためのチェックリスト等を用いて作業を管理しております。

■成型ミスによる硬度不良
ゴム成型は熱と圧力を規定の時間をかけて加えることでゴム材料を弾性のある加硫されたゴムに成型しますが、成型担当者が諸々の事情により「成型時間」の短縮、「成型温度」の調整、などを評価確認せずに実施してしまい、結果としてゴム硬度が規定に満たない製品を製作してしまう事があります。

■期限を過ぎた材料を用いることによる硬度不良
ゴム材料は加硫剤が添加されていない材料の状態の場合においては、ある程度の日数が経過しても品質に問題はありませんが、加硫剤が添加されている状態ですと日持ちしなくなります。この加硫剤が添加されてしまった状態のゴム材料を保管期限が過ぎても使用していると硬度不良や物性不良が発生します。

簡易型や金型成型におけるゴム硬度変更の注意点

型を用いたゴム成型は熱と圧力を加えて成型しますが、成型された製品は型の寸法よりも僅かに小さくなります。これをゴムの収縮と呼び型寸法と実際の成形品の寸法差を収縮率と呼びます。

この収縮率ですがゴムの材料毎に異なりますので、例えばシリコンゴムの硬度50度品とシリコンゴムの硬度60度品においても収縮率は異なります。型の設計時は予定している材料の収縮率に応じて各寸法を設計していきますので、型起工後にゴム硬度を変更してしまうと、収縮率の差だけ寸法が変わってしまいます。

寸法精度がアバウトで良いという雑貨品等は特に収縮の差は問題になりませんが、寸法精度が求められる工業部品となると収縮差で発生する寸法誤差が問題になる場合もあります。

したがって、同じ型で硬度を変えて成型する場合は成型自体は可能ですが、収縮差による寸法の誤差が生じてしまいますのでご注意ください。

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