ゴムとはどんな素材?

「ゴム」とはいったいどんな物だろう?輪ゴムだったりタイヤだったり、消しゴムや哺乳瓶の先っぽもゴムでできてますね!ほかにも様々なパッキンやOリングなどもゴムでできてますが、さて、それらは全て同じゴムなのでしょうか?

まずはこのサイトで取り扱うゴムがどんなものかを紹介するとともに、このサイトでは取り扱わないゴムについても明確にしておきます。

それではまず「ゴム」の定義づけからしてみます。まずは「ゴム」を辞書で調べてみましょう。

デジタル大辞泉「ゴム」

  1. わずかな力で大きく伸び、外力を除くとほとんど瞬間的にもとに戻る性質をもつ物質。ゴムの木から採取したラテックスから作る天然ゴム、石油などから化学的に合成する合成ゴム、再生ゴムなどがある。ラバー。→弾性ゴム
  2. 植物から分泌される多糖類で、水溶性の粘性のある物質。弾性はしめさない。アラビアゴム・トウガカントゴムなど。

※2016年05月01日調査

ここで最初に重要なキーワードとなる「弾性」という言葉がでてきました。ゴムという材質を紹介するうえで非常に重要なキーワードである「弾性」につても深く調べてみましょう。

デジタル大辞泉「弾性」

外力によって変形した物体が、その外力が除かれた時、もとの形にもどろうとする性質。

※2016年05月01日調査

輪ゴムを例に説明してみます。 輪ゴムを両手でつまみ、その輪ゴムを両サイドに引っ張る(外力)と輪ゴムは大きく楕円形の形に変形します。変形した輪ゴムに加えている外力、すなわち引っ張る力を離すと、元の姿に戻ります。この性質を弾性とよび、この性質をもつ物質をゴムと呼びます。

力を加えると変形する材質は多数ありますが、加えた外力を取り去ってももとに戻ろうとしない物質はゴムでは無いということになります。

ゴムと呼ばれる材質の最大のPOINTは「弾性体」である事。
逆に言えば弾性を示さない材質はゴムではありません。

ゴムとプラスチック

ゴムとプラスチックは非常に類似している材質です。製造方法が類似している点もありますが決定的に違うのが熱を加えたときに起こる化学変化です。プラスチックは熱により変形します。この変形の事を「可塑」と呼びます。熱を加える事により「可塑」する性質を「熱可塑性」と言い、プラスチックを総称して熱可塑性樹脂と呼びます。プラスチックの種類により変形する温度域は異なりますが概ね100度前後で可塑化されます。

さて次はゴムですが、ゴムは熱を加えてもプラスチックの用に可塑化しません。一般的なゴムは架橋剤や添加剤を加え熱と圧力にて架橋させることによりゴムとなります。したがって熱可塑性樹脂であるプラスチックと比較して非常に優れた耐熱特性を得られる事になります。ここで、架橋や添加剤という言葉を用いましたので簡単に用語を説明しておきます。

ゴムの架橋

架橋とは一般的には「橋を架けること。または、その「橋」を指します(デジタル大辞泉より)が、鎖状高分子の分子と分子のに橋を架けることで結合させることを指し、ゴムを架橋することを加硫という。

ゴムの加硫

加硫とは硫黄やその他加硫剤(過酸化物加硫剤等)を添加し、加熱することで添加した硫黄や加硫剤等が、分子間に網状に結合される事を指し、結合する事によって弾性体であるゴムの特性を可能にしている。

熱可塑性エラストマー

プラスチックとゴムについて解説しましたが、これらの中間に位置する特性を備えているのが、熱可塑性エラストマーと呼ばれる材料になります。まずエラストマーという言葉が出てきましたのでこちらも辞書で調べてみます。

デジタル大辞泉「エラストマー」

常温で非常に大きな弾性をもつ高分子物質の総称。ゴム・合成ゴムなど。

※2016年05月01日調査

常温において弾性を示すことから、「エラストマー=ゴム」と概ね捉えて頂ければ問題ないようですが、ゴムは先に紹介したように加硫剤と添加材を配合し熱を加えることで架橋しゴムとなります、熱可塑性エラストマーは熱により可塑化、すなわち熱を加えることで起こる化学反応はプラスチックと同じです。常温では架橋したゴムと同じく弾性体であるが、熱を加えると溶けてしまいます。耐熱特性はプラスチックと同等となります。

熱可塑性プラスチックとゴム(エラストマー)、熱可塑性エラストマーを用いた3つの製品に熱を加えた試験写真を以下に記載しますので、参照ください。熱可塑性プラスチックと熱可塑性エラストマーは形状変化が起きているのが確認できますが、ゴム製品は形状変化は見られません。この弾性と耐熱特性がゴムの最大の特徴といえることができます。